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突然の事業承継で不安を抱える女性経営者に向けて自らの体験を元に励まし、勇気を与える

「女性社長のココトモひろば」アドバイザー 大和田 美佳さん

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株式会社茨城ケミカル 代表取締役 「女性社長のココトモひろば」アドバイザー 大和田 美佳さん

「12年前にこの取り組みがあったら、私ももっと楽だったでしょうね」


そう話すのは、茨城県ひたちなか市で業務用洗剤などの卸業を営む株式会社茨城ケミカルの代表であり、『女性社長のココトモひろば』でアドバイザーを務める大和田美佳さん。
大和田さんは、創業者だった父が突然亡くなり、図らずも家業を引き継ぐことになりました。代表就任後は、大和田さんの存在を快く思わない古参社員の反発や戸惑う取引先への対応、さらには銀行をはじめとする金融機関との折衝など課題は山積み。しかも、幼い子どもの母として家庭も守らなくてはいけなかった大和田さんは、慣れない環境の中、孤独や不安を誰にも相談できず、しばらく悶々とした日々を過ごしたといいます。


大和田さんが『女性社長のココトモひろば』のアドバイザーを引き受けたのは、突然の事業承継によって、ご自身と同じような悩みを抱えている女性経営者たちの役に立ちたいという思いからでした。


大和田さんにはご自身の事業承継の経緯とともに、『女性社長のココトモひろば』のアドバイザーとしての想いを語っていただきました。

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古参社員にも受け入られず孤立を深めた事業承継

『女性社長のココトモひろば』は、先代経営者の逝去によって、突然、事業を継いだ女性経営者を対象としたコミュニティサイトです。これまで多くの事業承継者を支援してきたエヌエヌ生命と、国内最大級の女性経営者データベースサイト『女性社長.net』を運営する株式会社コラボラボとの共同事業として、2020年1月にサービスがスタートしました。


『女性社長のココトモひろば』の最大の特徴は、同じような経験を持つ先輩女性経営者や事業承継経験者たちから「同じ目線」で「共感」できるアドバイスをオンライン上で受けられる点です。


現在、女性経営者が国内で占める割合は約8%といわれています。しかし、先代が亡くなった後を引き継ぐ女性親族は約40%(※)にも上ります。その女性たちの多くは経営やマネージメントの経験もないまま、代表に就任したその瞬間から重要な経営判断を強いられます。その重責たるや計り知れません。※大手調査会社の資料に基づくエヌエヌ生命の試算


「ユーザーの方たちの相談の中には、会社の経営や財務に関することもありますが、『子どもがいて夜の飲み会に出られますか?』『飲み会に行けない場合はどのように断りますか?』など、とてもシンプルな悩みが多く寄せられています。男性経営者にとっては些細なことかもしれませんが、子育てもしながら社長業をこなす女性経営者には大事なこと。私も自身に置き換えて考えてみると思い当たることも多く、周囲にそんなことを相談できる人もいませんでしたね」

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大和田さんが家業を引き継ぐことになったのは、今から12年前のこと。当時はまだ東京で情報誌の企画営業として働いていましたが、ある日、父の事業を引き継いだ母から『自分ではどうしようもないから戻ってきてくれ』と電話があったからです。


「もともと母は会社の経理をしていたのでお金の出入は分かるのですが、会社の財務状況までは把握していませんでした。それで、主人と相談して帰ることにしたのですが、それは家業を継ぐためではなく、会社を継続していくのか、それとも畳むのか、その判断が母一人ではできないだろうと思ったからです」

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しかし、実家に戻った大和田さんを待ち受けていたのは、財務状況はもちろん、取引先のことも何もわからない、情報が入ってこないという辛さでした。


「社内で情報が整理されていなかったこともありますが、母や私が会社を継ぐことを快く思っていない古参社員もいて、会社がどんな状況なのか、取引先との関係性はどうなっているのか、ほとんど教えてもらえませんでした。何も分からないことが一番辛かったですね。その辛さを誰かに相談したくても、実家を離れて時間も経っていたので周囲に知り合いもいなかったですし、また仕事と家庭の境界が曖昧になってお互いに居心地が悪くなるのではと思って、主人にもあまり相談できませんでした。あのころの私の相談相手といえば税理士くらいですね」

『女性社長のココトモひろば』は共感とともに、刺激も受ける貴重な場

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当初の思惑とは異なり、結果的に大和田さんが父の築いた事業を引き継ぐことになるのですが、実はこのとき大和田さんは下のお子さんを妊娠中。慣れない土地での出産、子育てに加え、社長業まで担うことになったのです。


「もう目の前のことをこなすことで手一杯でした。そもそも家業を継ぐ気もなかったので、何の準備もしていませんし。でも、それは父も同じだったようで、自分が亡き後のことについて具体的な指示は何も残していませんでした。それくらい突然だったということですね」


お子さんが大きくなると少しずつ外出の機会も増え、経営のノウハウや情報を提供してくれる経営者たちとのつながりも生まれてきました。その中には女性経営者も。大和田さんはようやく自身が抱える不安や悩みを吐露し、共感してくれる人を見つけました。


「同じような悩みを抱えている女性経営者がいることがわかり、すごく気持ちが楽になりました。もっと早く身近に相談できる人がいたら、どんなに楽だったろうと思いました」


現在、経営者として多忙であるにも関わらず、ユーザーから寄せられる悩みや相談に一つひとつ丁寧に応えているのは、大和田さんの中にこのときに感じた思いが強く残っているからにほかなりません。

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『女性社長のココトモひろば』では、誰でも投稿された話題やそれに対するコメントを閲覧し、そのコメントに対して「わかる」「びっくり」「うふふ」「かなしみ」「ファイト」と描かれたアイコンを用いて「共感」の気持ちを伝えることができます。さらに、実際に事業承継した女性経営者のみを対象とするユーザー登録を行うと、同じような境遇の女性経営者たちにコメントを送りあうなど、オンライン上でコミュニケーションが可能となります。ここで綴られる言葉の一つひとつは、事業を引き継いだ女性経営者たちの知識にも勝る価値となって、たくさんの勇気と元気をもたらすかけがえのないものとなります。

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つい先日、『女性社長のココトモひろば』では初となるオンライン交流会が開催されました。モニター越しに質問を送るユーザーの中には、突然の事業承継に戸惑い、不安を抱えている方も。同じような境遇で社長業に邁進してきた大和田さんは、そんな女性経営者たちに向けて熱いメッセージを送ります。


「突然、事業を引き継ぐことになったら、本当に面食らうと思いますし、誰に聞いたらいいのかもわからないと思うのですが、やると決めたら前に進むしかありません。まずは自分の中で強い気持ちを持つことが大事です。そして、困ったことが起きたら、『女性社長のココトモひろば』をのぞいてほしい。『女性社長のココトモひろば』は、ユーザーの方はもちろん、アドバイザーたちとも信頼できる関係性が築けています。実際に私自身も共感する部分はたくさんありますし、また皆さんから大いに刺激を受けています」

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これからも『女性社長のココトモひろば』のアドバイザーの一人として、ユーザーの方たちに寄り添い、「ああ、これでいいんだ」と共感・納得してもらえる、居心地のよい場にしていきたいと話す大和田さん。そのためにも今後はオンラインだけではなく、リアルに出会える場も模索していきたいといいます。オンラインとオフラインのイベントをミックスさせていくことで、より活発なコミュニティが生まれることを期待しています。


「『女性社長のココトモひろば』は、今、事業を経営している方だけではなく、これから事業承継を考えている方にとっても、将来に向けてイメージし心の準備につながる場になっています。だから、行く行くはお嬢さんに事業を譲りたいと思っている社長たちにも見てもらえるような、そんなコミュニティサイトを目指したいですね」

「女性社長のココトモひろば」のサイトはこちらからご覧ください。

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