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社員にも取引先にも

誇りに思ってもらえる会社にしたい
「パッケージデザインAI」開発はその第一歩だ
株式会社プラグ 代表取締役社長 小川 亮氏

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株式会社プラグ 小川 亮氏

(株)プラグは、1989年設立のパッケージデザインをする(株)アイ・コーポレーションと1957年に市場調査会社として発足した(株)CCPが、2014年に合併して生まれたパッケージデザイン開発とマーケティングリサーチを手掛ける会社です。小川亮社長がけん引し開発した「パッケージデザインAI」は、中小企業でも簡単にパッケージの評価やデザインができると評判になっています。

「パッケージデザインAI」の受賞で
自社の価値を社員が再認識

AIデザイン生成画面

AIキーワード

「スタートアップ」と「アトツギベンチャー」が同じ舞台で事業の独自性や成長性を競う「スタ★アトピッチJAPAN」第3回で、小川氏が提案した「パッケージデザインAI」が、アトツギベンチャー部門賞を受賞した。

「自社で開発したサービスが社会にとって、どんな新しい価値をもたらすかを丁寧にお伝えしたら、きちんと世の中に取り上げていただけました」

 

テレビ放映やメディア掲載の反響が大きく問い合わせや取材が増えたが、それを社員が喜んでくれたことが何よりうれしかった。

「親や知人から、あなたの会社をテレビや新聞で見たよ、すごいねと言われ、とても大きな自信につながったようです」

社会からの見られ方を通じて、社員が自分の会社の存在価値を知るという逆転現象が生まれた。

 

「AIが消費者に好まれる商品デザインを1時間に1,000案生成します。ターゲットとなる性別、年代別に評価し、結果を反映させ、デザイン生成を行うという工程を何度も繰り返します。今まで時間やお金をかけて、人の力で行っていた仮説と検証をAIが最短で最適化し、最終デザインまで絞り込めるのです」

この「パッケージデザインAI」を使えば、デザインやマーケティングに費用をかけられない中小企業でも質の高い商品デザインを手に入れることができる。

 

「最後の判断は、もちろんデザイナーや担当者が行えばよいのです。つまりAIの力を使いながら、よりよいパッケージデザインを効率的に作るお手伝いをします」

このAI開発では、今まで自社でデザインの消費者調査をしてきた膨大なデータと、中小企業ならではの本気度が生む「あと1ミリよくしたい」という気の遠くなるような地道な努力が実を結んだ。

 

「この開発にはデザイナーが深くかかわり、デザイン的になんだか変という点や、よりよいデザインにするためのアイデアを、AIにフィードバックしながら開発できる環境が優位に働いています」

どういうパッケージデザインが消費者に好まれるのかというデータと、蓄積されてきたノウハウを自社が持っていることが強みだという。

スタアトピッチ受賞

「世話になった父の力になりたい」
と入社したものの、仕事はなかった

小川氏の父はグラフィックデザイナーとして独立し、会社を経営していた。家の2階を事務所にして、従業員5人を抱え、昔からのお得意先を大切にしながら仕事をしてきた。

「家業は身近でしたが、継ぐことはあまり考えていませんでした。学生の頃からいつかは起業したいと思って就職し、念願の宣伝部とマーケティング部門で5年間は死に物狂いで働き、退社後にMBAを取得しました」

 

仲間と一緒の起業を目指したが、その人は独立をしなかった。

「一人で起業するなら、親の会社で新事業を手掛けようと考えて父の会社に入社しました」

 

しかし、入社はしてみたものの、自分にまかせられた仕事は何ひとつなかった。

「デザインができるわけでもないですし、当たり前ですよね。MBAを取って意気揚々と、なんでもやろうと思っていたのに、自分は今の会社に必要ないとすぐにわかり、それはつらかったです」

 

大会社の組織にいたときには、自分に与えられたポジションがあった。

「今の会社では自分は必要とされていないと自覚して、もがきながら仕事を作っていきました。結局これが自分の原点になりました」

 

そこで飛び込み営業などをしてみたが、うまくいかない。

「新しい仕組みや世の中に注目されることをやっていこうと考え、日本全国のフリーのデザイナー300人以上のネットワークを作りました」

このプラットフォームビジネスがマスコミに取り上げられて話題となり、少しずつ仕事の声がかかるようになった。

リサーチとデザインの合わせ技が
会社に新しい価値を生む

株式会社プラグ

ある時、マーケティングリサーチをしてから、サービスをデザインするというプロジェクトを手掛けることになった。

「そこでリサーチ会社と一緒に仕事をしたら、非常にうまくいったんです。リサーチとデザインを組み合わせるとクライアントの製品開発プロセスを、川上から川下まで全部お手伝いできるのです」

 

会社の規模も同じくらいだったそのリサーチ会社の坂元英樹社長(現プラグ副社長)とは、中小企業の社長同士ということもあり意気投合。その後も悩みを相談したり、情報交換を重ねていった。

「そのなかで、互いの会社が一緒になることで、今までの受注型の事業スタイルから脱却できるのではという考えに至りました」

付加価値の高いコンサルティングをしながらクライアントと一緒に製品を考え、リサーチし、デザインを作り上げていく領域に挑戦できるのだ。ちょうどデザイン思考という概念が浸透してきたタイミングでもあったという。

 

「電源のプラグには穴が2つあって、強力なエネルギーを供給しています。だからリサーチとデザインという2つのパワーを一緒に組み合わせて、クライアントのブランドを輝かせることができるような会社にしたいと思い、社名にしました」

こうして、2014年株式会社プラグが誕生した。

自社をじっくり見つめ
会社の事業価値を知ろう

株式会社プラグ

会社を引き継ぎ、社長になって16年。これから事業承継する人に伝えたいことがある。

「焦らず、まずは自分の会社を知ってほしいです。今まで支えてくれたお客さまや自分の会社の事業価値を知ることにたっぷりと時間を使うといいと思います」

 

そうすると無理のない未来の目標が自然と見えてくるという。

「会社で働きながら横で見ているのと経営するのは全然違います。なにか新しいことをやろうと事業承継する気持ちもわかりますが、まずは自分の会社の強みを知ることが大切ではないでしょうか」

 

そうすることで、会社を維持するためにすべきことや、今まで築いてきてくれたお客さまとのつながりの尊さが実感できるという。

 

リサーチ会社と合併してから、心がけてきたことがある。

「何のために一緒になったのかという目的はぶれないようにしました。受注型からコンサル型に変わっていくのだと新しい分野に挑戦する姿勢は経営者として持ち続けています。そして、社員にもその思いを伝え続けています」

 

それを伝えることが一方通行にならないようにも心掛けた。

「社長は決して好かれないし、ときには厳しいことも言わなくてはなりません。でも短期的に嫌われたとしても、社長という立場が嫌われているのだから仕方がないと考えています。でも、社員のみんなを幸せにしたいということは常に思っています」

 

社員にも取引先にも自慢してもらえるような会社にしていくことが、これまで応援してくれた取引先や一緒に頑張ってきた社員みんなへの最大の恩返しだと言葉に力を込めた。


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