家業経営者の父親とその子どもに関する調査 ~ 父親は職業選択を好きにさせてくれたと思うと回答した子どもの9割以上が「感謝している」 ~
- リサーチ
エヌエヌ生命は、全国の中小企業の女性経営者206名を対象に社長業に関しての意識調査をおこないました。 なお、エヌエヌ生命では、突然の事業承継に悩む女性経営者に向けたウェブサービス「女性社長のココトモひろば」を女性社長.net(株式会社コラボラボ 企画・運営 本社:東京都千代田区 代表取締役:横田響子)とともに提供するなど、事業を承継した女性経営者への支援にも取り組んでいます。 調査結果の主なポイントは以下の通りです。
<調査結果まとめ>
1. 64.1%が起業をきっかけに社長に。事業承継で社長になった人のうち、8割以上は親族からの事業承継。社長就任(起業)時の平均年齢は41.5歳
2. 事業承継により社長になった人の56.8%が「後継者になることを想定していなかった」と回答。また事業承継の準備期間がほとんどなかった / 突然だった人は44.6%
3. 3人に1人が男性社長と比較して業務上不利に感じている。不利に感じる点は、「顧客との関係構築」(57.9%)、「仕入先との関係構築」(36.8%)。「電話や対面で社長の取次をお願いされる」という声も
4. 女性だからこそスムーズに進んだと感じることについても「顧客との関係構築」(39.3%)が最多。社長を経験することで良かったことは、「やりがいのある仕事ができる」(53.4%)、「チャレンジ精神を発揮できる(37.9%)」
5. 社長になって初めて導入した働き方に関する制度は、「時短勤務制度」(16.5%)、「時差勤務制度」(11.7%)、「テレワーク勤務制度」(10.7%)
(1)64.1%が起業をきっかけに社長に。事業承継で社長になった人のうち、8割以上は親族からの事業承継。社長就任(起業)時の平均年齢は41.5歳
中小企業の女性経営者206名を対象に、最初に社長になったきっかけは何だったのか質問したところ、64.1%が「起業」、35.9%が「事業承継」と回答しました。「事業承継」と回答した74名が誰から事業承継したのか内訳を見たところ、「事業承継(親から)」が半数を占め、次いで「事業承継(配偶者から)」が25.7%、「事業承継(親・配偶者以外の親族から)」が6.8%で、親族からの事業承継が合計で8割以上(82.4%)でした。
社長就任(起業)時の年齢を年代別の割合で見てみると、起業は「30代」(38.5%)、事業承継は「40代」(39.4%)が最も多い結果となりました。また、社長就任(起業)時の平均年齢は、全体の平均は41.5歳、起業は39.1歳、事業承継は45.8歳でした。
(2)事業承継により社長になった人の56.8%が「後継者になることを想定していなかった」と回答。また事業承継の準備期間がほとんどなかった / 突然だった人は44.6%
事業承継により社長になった74名を対象に、事業承継の後継者として自身が社長就任することを以前から想定していたかを質問したところ、「後継者になることを以前から想定していなかった」(56.8%)という回答が「後継者になることを以前から想定していた」(43.2%)という回答より13.6%多い結果となりました。
事業を承継する準備期間については、「(ほとんど)準備期間はなかった / 突然だった」が44.6%を占め、「数カ月の準備期間があった」は21.6%、「1年程の準備期間があった」のは16.2%で、「数年以上の準備期間があった」は2割未満でした。
(3)3人に1人が男性社長と比較して業務上不利に感じている。不利に感じる点は、「顧客との関係構築」(57.9%)、「仕入先との関係構築」(36.8%)。「電話や対面で社長の取次をお願いされる」という声も
中小企業の女性経営者206名を対象に男性社長と比べて、業務上で不利に感じることはあるか質問したところ、36.9%が「はい」と回答し、3人に1人が不利に感じていることが分かりました。
男性社長と比べて業務上不利に感じていると回答した76名を対象に、どのような点で不利に感じるか質問したところ、「顧客との関係構築」(57.9%)、「仕入先との関係構築」(36.8%)、「金融機関との関係構築」(34.2%)があがりました。
【具体的なエピソード】(自由記述より一部抜粋)
「専務が男性なので、私が代表だと思われないことが多い」(愛知県 42歳)
「信用がないと外注さんに前金での仕事をしいられた」(静岡県 59歳)
「業種が建設業で、従業員が事務員以外は男性ばかりの上、私が現場をわからないため、監督や作業員との意思の疎通が難しい」(静岡県 58歳)
「電話や対面で社長の取次をお願いされる」(神奈川県 64歳)
「女とは相性が悪い等という理不尽な理由で断られたことはある」(東京都 63歳)
「社員になめられていると感じる」(三重県 62歳)
中小企業の女性経営者206名を対象に男性社長と比べて、プライベートで不利に感じることはあるか質問したところ、約2割(19.4%)が「はい」と回答しました。
プライベートで不利に感じることがあると回答した40名に対し、どのような点で不利に感じるか聞いたところ、「家事」(67.5%)が最も多く、「地域活動・近所付き合い」(32.5%)、「育児・子育て」(27.5%)と続きました。
【具体的なエピソード】(自由記述より一部抜粋)
「家事全般がある為、仕事の時間や接待などの時間が限られる」(北海道 50歳)
「疲れ果てていても家事育児は当然だなどという古い価値観に縛られている状況が不利だと感じられます」(茨城県 54歳)
「会合などで女性社長だというと距離を置かれてしまう」(静岡県 75歳)
「介護等で仕事に必要な研修に参加できなかったり」(大阪府 57歳)
また、経営上で困ったことがあったら誰に相談するか質問したところ、起業した人は、「税理士」(28.8%)と「同業の社長仲間」(28.8%)が最多でした。一方、事業承継した人は、「家族・親族」(43.2%)、税理士(37.8%)、自社の社員(23.0%)が多い結果となりました。
(4)女性だからこそスムーズに進んだと感じることについても「顧客との関係構築」(39.3%)が最多。社長を経験することで良かったことは、「やりがいのある仕事ができる」(53.4%)、「チャレンジ精神を発揮できる(37.9%)」
中小企業の女性経営者206名を対象に女性だからこそスムーズに進んだと感じることについて質問したところ、「顧客との関係構築」(39.3%)が最多でした。
【具体的なエピソード】(自由記述より一部抜粋)
「貴重な女性オーナーだから応援したい、とアパートのリフォームを材料費のみでやって頂いた。支えてもらい、見守ってもらっている感覚がある」(福井県 42歳)
「女性社員に対して仲間意識を強く持って取り組めるため、方針を決めやすい」(静岡県 26歳)
「取引先に女性目線で提案してくれるので参考になると言われます」(東京都 49歳)
「英会話教室なので、女のほうが相手の警戒心が溶けて色々と話しやすいように感じることはある」(埼玉県 38歳)
「カウンセリングの際、女性ならではの悩みなどを打ち明けられたり」(大阪府 57歳)
「親しみやすいと言ってもらえることが多い」(大阪府 57歳)
「女性目線のイベントのプレゼンが通りやすい」(岐阜県 51歳)
また社長を経験することで良かったことについて聞いたところ、「やりがいのある仕事ができる」(53.4%)が最も多く、次いで「チャレンジ精神を発揮できる」(37.9%)でした。
(5)社長になって初めて導入した働き方に関する制度は、「時短勤務制度」(16.5%)、「時差勤務制度」(11.7%)、「テレワーク勤務制度」(10.7%)
中小企業の女性経営者206名を対象に社長になって初めて導入した働き方に関する制度について質問したところ、「時短勤務制度」(16.5%)、「時差勤務制度」(11.7%)、「テレワーク勤務制度」(10.7%)でした。
【調査概要】
調査対象:日本全国の中小企業の女性経営者
※従業員300人以下の規模の女性会社経営者(社長、会長)
サンプル:全国206名
調査方法:インターネット調査
実施時期:2020年8月28日~9月1日
※回答結果はパーセント表示を行っており、小数点以下第2位を四捨五入して算出しているため、各回答の合計が100%にならない場合があります。
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