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経営のヒント

今さら聞けない「債券」とは?初心者でも分かる基礎知識や株式との違いについて解説

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資産運用を始めたいけれど「債券」や「株式」といった言葉が難しそうで、なかなか一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。特に、債券は「安全な投資」というイメージがある一方で、株式との違いが理解できないという方も少なくありません。


本記事では、債券の基本的なしくみから株式との違い、そして投資するうえでのメリットやリスクまで、投資初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説します。

この記事のポイント

  1. 債券とは国や企業への「貸付」であり、会社の所有権の一部である株式とは根本的に異なる
  2. 主な収益はあらかじめ決められた「利子」であり、企業の成長に期待する株式に比べ収益の見通しが立てやすい
  3. 比較的安全とされるが、主に「金利変動リスク」「信用リスク」「為替変動リスク」といった注意すべき点がある
  4. 安定的な収益を目指すため「安定志向」の資産運用に向き、成長性をねらう株式投資とは対照的である
  5. 投資方法は証券会社での直接購入のほか、専門家が運用し、保障も備えられる「変額保険」などの選択肢がある

債券の基礎知識

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まずは、債券がどのようなものなのか、基本的なしくみから理解していきましょう。

債券とは?

債券とは、国や地方公共団体、企業などがまとまった資金を調達するために発行する「有価証券」の一種です。簡単にいうと「お金を借りたことを証明する借用書」のようなものです。


債券を発行する国や企業は「お金を借りる側(債務者)」となり、その債券を購入する投資家は「お金を貸す側(債権者)」という立場になります。投資家は、満期まで保有することで定期的な利子と、満期時の額面金額を受け取れます。


債券を知るうえで、以下3つの基本用語は必ず押さえておきましょう。

単語 内容
額面金額
  • ・債券の額面に記載された金額のこと
  • ・満期になると、この金額が原則投資家に戻ってくる
償還日
  • ・「満期日」のこと
  • ・額面金額が投資家に返還される約束の日
利率(クーポンレート)
  • ・額面金額に対して、毎年受け取れる利子の割合のこと
  • ・「クーポン」とも呼ばれる
単語 内容
額面金額
  • ・債券の額面に記載された金額のこと
  • ・満期になると、この金額が原則投資家に戻ってくる
償還日
  • ・「満期日」のこと
  • ・額面金額が投資家に返還される約束の日
利率(クーポンレート)
  • ・額面金額に対して、毎年受け取れる利子の割合のこと
  • ・「クーポン」とも呼ばれる

また債券は必ずしも満期である償還日まで保有し続ける必要はなく、市場で売買されているため、途中での売却も可能です(*1)。

  1. 証券会社などからの直接購入の場合のみ途中売却可能

債券投資で利益が出る2つのしくみ

債券投資によって得られる利益には、大きく分けて2種類あります。

【利子(インカムゲイン)】

債券を保有している間、定期的に受け取れる利息のことです。債券の多くは利率があらかじめ決まっているため、償還日まで保有すれば安定した収益を見込めることが特徴です。


【償還差益・売却益(キャピタルゲイン)】

債券は市場で売買されており、その価格は日々変動します。価格変動を利用して得られる利益が「キャピタルゲイン」です。具体的には、償還差益と売却益の2つがあります。

償還差益
  • ・額面金額100万円の債券を市場で99万円で購入
  • ・満期まで保有した場合、償還時に100万円が返還される
  • ・差額の1万円が利益となる
売却益
  • ・99万円で購入した債券が償還日を迎える前に市場価格が101万円に値上がり
  • ・このタイミングで売却すると、差額の2万円が利益となる
償還差益
  • ・額面金額100万円の債券を市場で99万円で購入
  • ・満期まで保有した場合、償還時に100万円が返還される
  • ・差額の1万円が利益となる
売却益
  • ・99万円で購入した債券が償還日を迎える前に市場価格が101万円に値上がり
  • ・このタイミングで売却すると、差額の2万円が利益となる

債券は、定期的な利子収入をコツコツと積みあげる方法と、市場での価格変動を利用して利益をねらう方法の2とおりで収益を得られます。

債券と株式の違いを3つの項目で比較

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資産運用の世界で債券とよく比較される金融商品が「株式」です。ここでは「立場」「収益性」「リスク」の3つの観点から、両者の違いを明確にしていきましょう。

比較項目 債券 株式
投資家の立場
  • 債権者(貸し手)
  • 株主(オーナー)
主な収益源
  • 利子(インカムゲイン)
  • ・値上がり益(キャピタルゲイン)
  • ・配当金
収益の性質
  • ・比較的安定
  • ・計画的
  • ・変動が大きく不確実性も伴う
元本の受け取り
  • ・原則、満期になると元本が返還される
  • ・元本が返還される保証はない
リスク・リターン
  • ローリスク・ローリターン
  • ハイリスク・ハイリターン
比較項目 債券 株式
投資家の立場
  • 債権者(貸し手)
  • 株主(オーナー)
主な収益源
  • 利子(インカムゲイン)
  • ・値上がり益(キャピタルゲイン)
  • ・配当金
収益の性質
  • ・比較的安定
  • ・計画的
  • ・変動が大きく不確実性も伴う
元本の受け取り
  • ・原則、満期になると元本が返還される
  • ・元本が返還される保証はない
リスク・リターン
  • ローリスク・ローリターン
  • ハイリスク・ハイリターン

投資家としての立場の違い

債券とは、発行体である国や企業に対してお金を貸し付け、その見返りとして利子を受け取る「債権者(貸し手)」の立場になります。あくまでお金の貸し手であるため、企業の経営方針に対して意見を述べる権利(議決権)はありません。


一方の株式は、その会社の一部を所有する「株主(オーナー)」の立場になります。株式を購入するとその会社のオーナーの一員となり、会社の利益の一部を配当金として受け取る権利や、株主総会で議決権を行使して経営に参加する権利を得られます。

収益性とリターンの違い

債券の収益の柱は、あらかじめ定められた利率に基づいて定期的に支払われる「利子」です。満期まで保有すれば、どのくらいの期間でいくらの収益が得られるかという見通しが立てやすいため、安定性が高いといえます。


対して株式の収益の柱は、会社の成長に伴う「株価の値上がり益」と、会社が出した利益の一部を株主に分配する「配当金」です。企業の業績が大きく向上すれば株価が数倍になることもあり、大きなリターンが期待できます。その反面、業績悪化による株価下落のリスクもあり、収益の不確実性は高くなります。

リスクと安全性の違い

債券は満期である償還日を迎えると、投資した元本(額面金額)が返還されるという約束があることが大きな特徴です。発行体が財政破綻しない限り、原則として元本を受け取れます。


一方の株式には、投資した元本が返還されるという保証はありません。株価が購入時よりも下落した状態で売却すれば元本割れとなり、会社が倒産してしまえばその株式の価値はゼロになります。

債券のメリットとリスク

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金融商品のなかでも比較的安全といわれる債券の主なメリットと、事前に理解しておくべきリスクについて解説します。

債券の主なメリット

債券投資が持つ大きなメリットは「安定性」です。多くの債券は利率と償還日があらかじめ決まっているため、収益が安定しており計画を立てやすいのが特徴です。使うタイミングが決まっている教育資金などの資産形成に適しています。


加えて、株式のように日々の価格変動が緩やかなため、元本割れのリスクが比較的低いことも安心材料といえるでしょう。発行体が財政破綻しない限り満期まで保有すれば元本が戻ってくるため「資産を守りながら堅実に運用したい」と考える安定志向の方のニーズに応える金融商品です。

債券の主なリスク

債券は安全性が高い一方で、投資を始める前には以下のリスクについて正しく理解しておくことが不可欠です。

リスク 内容
価格変動リスク
  • ・所有している債券の金利より、市場価格の金利があがることで価値が下がり、売却価格が下落するリスク
信用リスク
  • ・債券を発行した国や企業が財政難や倒産に陥り、利子や元本が約束どおりに支払われなくなる(債務不履行)リスク
為替変動リスク
  • ・米ドル建てなど、外貨建ての債券に投資する場合のリスク
インフレリスク
  • ・世の中の物価が上昇(インフレ)することで、お金の価値が実質的に下がるリスク
カントリーリスク
  • ・発行元の国や地域の政治経済や戦争災害、財政破綻などによる影響を受けるリスク
リスク 内容
価格変動リスク
  • ・所有している債券の金利より、市場価格の金利があがることで価値が下がり、売却価格が下落するリスク
信用リスク
  • ・債券を発行した国や企業が財政難や倒産に陥り、利子や元本が約束どおりに支払われなくなる(債務不履行)リスク
為替変動リスク
  • ・米ドル建てなど、外貨建ての債券に投資する場合のリスク
インフレリスク
  • ・世の中の物価が上昇(インフレ)することで、お金の価値が実質的に下がるリスク
カントリーリスク
  • ・発行元の国や地域の政治経済や戦争災害、財政破綻などによる影響を受けるリスク

債券の種類

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債券は発行体が誰か、どの通貨で発行されるかによって「国内債券」と「外国債券」の2種類に分けられます。

国内債券

日本の発行体(国、地方公共団体、企業)が「円建て」で発行する債券です。円で取引きされるため、為替変動リスクがないことが大きな特徴です。

種類 特徴
国債
  • ・日本国が発行する債券で、信用度が高いといわれる
  • ・半年ごとに金利が見直される変動金利制など、初心者向けの商品が用意されている
地方債
  • ・都道府県や市町村などの地方公共団体が、道路や学校の建設など、公共事業の資金を調達するために発行する債券
社債
  • ・民間企業が設備投資や事業資金のために発行する債券
  • ・一般的に、国債や地方債よりも利率は高く設定されている
  • ・その分、発行企業の業績や財務状況による信用リスクを伴う
種類 特徴
国債
  • ・日本国が発行する債券で、信用度が高いといわれる
  • ・半年ごとに金利が見直される変動金利制など、初心者向けの商品が用意されている
地方債
  • ・都道府県や市町村などの地方公共団体が、道路や学校の建設など、公共事業の資金を調達するために発行する債券
社債
  • ・民間企業が設備投資や事業資金のために発行する債券
  • ・一般的に、国債や地方債よりも利率は高く設定されている
  • ・その分、発行企業の業績や財務状況による信用リスクを伴う

外国債券

海外の政府や国際機関、企業などが「外貨建て(米ドル、ユーロ、豪ドルなど)」で発行する債券が「外国債券」です。一般的に、日本の債券よりも利率が高い傾向にあります。


しかし、常に「為替変動リスク」が伴う点や、発行体の国の政治・経済状況に影響される「カントリーリスク」も考慮しないと、想定外の損失を被りかねません。先進国の債券は比較的リスクが低いですが、新興国の債券は高いリターンが期待できる分、リスクも高くなる傾向があることを理解しておきましょう。

債券投資の始め方

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実際に債券投資を始めるにあたり、直接購入する方法と金融商品を通じて間接的に投資する方法の2種類を紹介します。

口座を開設して直接購入する

最も一般的な方法は、証券会社や銀行などの金融機関で証券口座を開設し、個別の債券(銘柄)を直接購入することです。「個人向け国債」は多くの銀行や証券会社で取扱いがあります。


社債や外国債券は、品揃えが豊富なネット証券や対面型の証券会社が主な窓口になります。口座開設して直接購入する方法は、自分で投資したい債券の種類や銘柄をじっくり比較検討し、選びたいという方に向いているでしょう。

保険商品などを通じて間接的に投資する

「たくさんの銘柄から選ぶのは難しそう」「もっと手軽に始めたい」という方には、間接的に投資する方法が適しています。

種類 内容
投資信託
  • ・運用の専門家が、国内外のさまざまな債券を組み合わせて運用するパッケージ商品
  • ・1つの銘柄を購入するだけで、複数の債券に分散投資する効果が得られる
  • ・少額から始められる
変額保険
  • ・万が一の際の死亡保障などを準備しながら、資産運用が可能な生命保険商品
  • ・支払った保険料の一部を「特別勘定」と呼ばれる専用の勘定で国内外の債券を運用できる
  • ・生命保険料控除(個人契約のみ)といった税制上のメリットも活用できる
種類 内容
投資信託
  • ・運用の専門家が、国内外のさまざまな債券を組み合わせて運用するパッケージ商品
  • ・1つの銘柄を購入するだけで、複数の債券に分散投資する効果が得られる
  • ・少額から始められる
変額保険
  • ・万が一の際の死亡保障などを準備しながら、資産運用が可能な生命保険商品
  • ・支払った保険料の一部を「特別勘定」と呼ばれる専用の勘定で国内外の債券を運用できる
  • ・生命保険料控除(個人契約のみ)といった税制上のメリットも活用できる

特に変額保険は、死亡や高度障害状態の保障と、資産運用を両立できる特徴を備えています。

債券を理解して、資産形成の一歩を踏み出そう

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債券は比較的安定した収益を目指せる金融商品ですが、金利変動や信用リスクなども存在するため、特性を正しく理解することが不可欠です。


投資方法は、証券会社などで直接購入するだけでなく、保障を備えながら専門家に運用を任せられる変額保険など複数の選択肢があります。ご自身の目的やリスク許容度に合った方法を見つけ、将来に向けた資産形成の一歩を踏み出しましょう。


なお、経営者として万が一への備えと資金準備を両立させたいとお考えなら、変額保険という選択肢も有効です。ご興味のある方は、ぜひ下記リンクをご覧ください。

  • ※商品の詳細につきましては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり・約款」を必ずご確認ください。特定保険契約の場合は、「契約締結前交付書面(契約概要・注意喚起情報)」「ご契約のしおり・約款」「特別勘定のしおり」を必ずご確認ください。
  • ※エヌエヌ生命保険株式会社の商品・規程などは資料作成時のものです。将来的には内容が変更となる場合がありますのでご注意ください。商品の詳細につきましては募集代理店にご確認ください。
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