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ワークライフバランス重視で見直し必須!

ポストコロナ時代の「福利厚生」施策

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この記事は5分で読めます

”1.在宅勤務の従業員は「組織的不安」「心理的不安」「物理的不安」を抱えている_2.可視化されにくい「心理的不安」は、突然の離職や人材定着率の低下を招くため、早期の対策が必要_3.福利厚生の充実は、企業のイメージアップ、従業員のモチベーションアップなどにつながり、求人の応募者には他社との差別化を図る判断材料になる_4.福利厚生のトレンドが大きく変化し、「キャリアアップや健康増進」支援への期待が高まっている_5.福利厚生を見直す際は、企業のビジョンや従業員に伝えたいメッセージを明確にしたうえで、納得性の高いプランニングをする”

新型コロナウイルスが世界中で感染拡大し、わたしたちの働き方にも大きな変化が生じ、企業は「多様な働き方」の整備が急速に求められるようになりました。

そこで、本稿ではコロナ禍によって変化した企業の福利厚生は、どのように見直すべきかに焦点を置いた解説をいたします。

1 コロナ禍で変わりつつある福利厚生

「多様な働き方」への対応は、2019年に制定された「働き方改革関連法」において、すでに注目されており、在宅勤務も改革のひとつのテーマとして推進されていました。しかし、昨今の日本の社会ではなかなか定着しないまま、しばらく足踏み状態が続いていたところ、新型コロナウイルスの影響により普及が急加速し、今では一般的なワークスタイルになりました。

この在宅勤務を含む「多様な働き方」の推進は、企業における働き方改革の追い風になっているという背景がある一方で、コロナ禍における従業員の意識は徐々に変化しています。例えば、従業員は在宅勤務をするうえで、次のような不安や課題を抱えている傾向があります。

(1)在宅勤務時における従業員が抱える課題・不安要素

”・帰属意識の希薄化_・他の従業員とのコミュニケーション不足_・人事評価の不透明化、さぼっているのではないかと思われる評価不安・疑念_・集中力・モチベーションの維持_・孤独感、疎外感などによる不安_・仕事とプライベートとの切り替えの困難さ(長時間労働の常態化)_・運動不足・ヘルスケアの維持_・自宅の水道光熱費、通信費の負担増加_・従業員が自己負担する費用の発生(デスク、チェア、PC関連、プリンタインク、文具、イヤフォン)_・同居する家族への負担(もしくは休校等により子どもがいて仕事にならない)・十分なワークスペースがない”

これらは以下の3つの不安に分類することができ、在宅勤務の頻度の増加で福利厚生のトレンドも大きく変化し、従業員の新たな価値観が創出されています。特に、可視化されにくい心理的な不安は、放置することで突然の離職や人材定着率の低下を招いてしまうため、早期の対策が必要になります。

組織的不安、心理的不安、物理的不安

これらの不安や課題を踏まえた視点から、在宅勤務手当の創設、オンライン飲み会への会社補助も従業員に喜ばれるポイントです。また、ワクチン接種後の副反応に対処した「ワクチン休暇」や、休校等に伴う保護者の休暇取得を支援した「特別休暇」を設ける企業も増えています。

福利厚生を充実させることは企業のイメージアップはもちろん、大切にしている価値観を対外的にアピールする手段になります。さらに、従業員のモチベーションアップにとどまらず、求人の応募者にとっても他社との差別化を図る判断材料になるでしょう。

(2)従業員の意識の変化

新型コロナウイルスの影響により、在宅勤務をはじめとした多様な働き方を支援し、ワークライフバランスの実現と健康経営を目指す企業が増えています。また、従業員は自己啓発のためのキャリアアップ、家族団らんの時間確保、予防医学の観点から健康増進支援への期待を高めています。

これらを踏まえて、企業は従業員のために何ができるか、どのようなライフスタイルを後押しするかを切り口に、福利厚生のリニューアルに取り組んでみてはいかがでしょうか。

2 今後の福利厚生施策を検討する際のポイント

福利厚生を見直すには、企業のビジョンや従業員に伝えたいメッセージを明確にしたうえで、納得性の高いプランニングを目指しましょう。

”ステップ1_導入目的やゴール、企業からのメッセージを明確にする_企業は福利厚生を通して、どのような目的やゴールを持っていますか?「従業員に喜んでもらいたい」、「離職率を抑制したい」など、それぞれ独自の企業課題があります。一方、従業員のニーズの調査は、リアルな意見を取り入れるため、アンケートや目安箱の設置等により、従業員の生の声に耳を傾けることが大切です。_ステップ2_導入する福利厚生メニューを選定する_「企業のビジョン」×「従業員のニーズ」が重なるマッチポイントを模索し、両社の目的が達成されるプランの情報を収集しましょう。コロナ禍において、「雇用形態に関わらず従業員全員が安心してりようできるものなのか」「在宅勤務でも享受できる内容か」を重視した検討が必要です。_ステップ3_公平性と多様性のバランスのとれた内容になっているかチェックする_特定のライフステージに目を向けた施策にしてしまうと従業員間に不公平感が生じます。昨今では「同一労働・同一賃金」の観点からも正規・非正規社員の不合理な待遇差が禁止されているため、雇用形態によって格差が生じない処遇にすることも肝心です。「多様な働き方」が重視される世の中に変わりつつありますが、「多様性」に重きを置きすぎると公平性が保てなくなるリスクもあるため、納得性が高く、バランスのとれたものであるかを客観的な視点でチェックしましょう。_ステップ4_従業員から制度導入後の意見を取り入れ、定期的にメンテナンスを行う_従業員からどのような意見が返ってきたとしても、ステップ1で定めた導入目的とメッセージが左右されてはなりません。一度で上手くいくことは稀であり、何度もメンテナンスを重ねていくうちに、副産物として従業員の本音を引き出しやすい土壌が醸成され、帰属意識の向上につながるかもしれません。あくまでも福利厚生は従業員が快適に働くことができる「ツール」であるという認識を持ちましょう。”

3 従業員に喜ばれる新しい福利厚生とは

(1)予算の見直しと適正化

最後に、コロナ禍でも喜ばれる新しい福利厚生メニューをご紹介いたします。新たな福利厚生の導入において、十分な予算をかけられず積極的な支援に躊躇する企業も多いでしょう。しかし、必ずしも追加の原資を必要とするのではなく、コロナの影響で縮小することのできる経費を、新しい予算の原資に充てることができないか、いま一度見直しをしてみましょう。

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(2)最近注目されている福利厚生

株式会社miiveが提供する「miiveカード」へのチャージにより、多様化したサービスの提供を実現


miive.jpgmiiveカードは、福利厚生特化型のプリペイドカードで、チャージすることにより国内外のVISA加盟店のサービスを福利厚生メニューとして利用できます。例えば、毎日のランチや映画、サブスク、フィットネス、家事代行サービスまで、予算と用途をカスタマイズしながら、個々のライフスタイルを支えてくれるサービスです。カジュアルな交流を生む仕掛けやバーチャルカードにロゴを載せることで、顔を合わせない働き方でも帰属意識の醸成に役立ちます。

URL https://miive.jp/

※画像は「miive」のHPより転載。

SNSやメディアでも話題! GREEN SPOON(グリーンスプーン)の定額制パーソナルスムージーで、健康的な食生活をフルサポート


greenspoon.jpgパーソナル診断の結果により、自分のカラダに必要な野菜やフルーツを瞬間冷凍して自宅に届けてもらえます。スムージー、スープ、ホットサラダなど、組み合わせも自由自在にオーダーが可能です。管理栄養士が監修しているので、在宅勤務でジャンクフードが続いたときの嬉しいサポートです。

URL https://green-spoon.jp/

※画像は「GREEN SPOON」のHPより転載。

福利厚生を充実させること=潤沢な予算が必要(大企業にしかできない)ではありません。どれだけ給与や賞与の待遇が良く金銭的な価値が満たされたとしても、従業員に寄り添う姿勢を維持できなければ、従業員エンゲージメント(企業への信頼・愛着)は向上しません。その手段のひとつが福利厚生の充実といえるでしょう。

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【著者】

土田 香織(どた かおり)

社会保険労務士

社会保険労務士法人 和(なごみ)

 

学卒後JASDAQ上場専門商社にて、主に給与計算、社会保険手続き、新入社員研修講師をはじめとする人事労務業務に9年間従事。その後2015年に社会保険労務士法人 和に入社し、2016年に社会保険労務士資格を登録。現在は二児の育児休業を経て、従業員500人を超える企業から数名の会社までの支援を行っている。特に、多店舗展開する飲食店の労務管理や調査対応などの業務を強みとし、きめ細かく丁寧なサービスを提供している。


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