内容へスキップ

事業承継に悩む中小企業経営者は5割以上?

この記事は4分で読めます

事業承継に悩む中小企業経営者は5割以上?

中小企業経営者の実に5 割以上が事業承継の対策ができていない、との調査結果があります。事業承継のどこに問題があり、どのように対策を進めていけばよいのでしょうか?

エヌエヌ生命保険株式会社が2015年に行った調査*1によると、中小企業経営者の5 割以上が事業承継の準備ができていないと回答しています。回答内容の内訳は、
●「承継したいが誰に承継するかは決まっていない」 …28.2%、
●「承継するかどうかまだ考えていない」 …25.9%
事業承継に悩む中小企業経営者は5割以上? となっており、この2つで半数を超えています。いわゆる後継者問題です。

また、2017年10月の日経新聞1面には「大廃業時代の足音 中小『後継未定』127万社」として、事業承継遅れの様子が大々的に報じられました。紙面では2016年に中小企業庁から示された「事業承継ガイドライン」の内容を引用し、
・2015年時点ですでに70歳に達している経営者34万人
・2015年~2025年に新たに70歳に達する経営者が58.7万
⇒合わせて92.7万人が平均引退年齢の70歳を超える見込み
であると警鐘をならしています。後継者問題を原因として現経営者が引退できずに、高齢化が進展していることも問題です。

事業承継対策のポイント

① 事業承継にかかる時間の把握
2017年「中小企業白書」によると、後継者の選定を始めてから了承を得るまでにかかった時間は、3年超の割合が37.1%に上ります。後継者を決めるだけでも多くの時間を要すると言えそうです。

次に経営状況・経営課題等の把握をして
② 事業承継に向けた経営改善
③ 事業承継計画の策定
事業承継は「代表者の交代」+「株式の承継」だけではなく、承継すべき資産は多岐にわたります。
・「代表者の交代」、いわゆる経営権
・「株式の承継」に加えて設備や運転資金などの物的資産
・経営理念、従業員の技術やノウハウなどの知的資産
これらすべての資産について承継計画を立てることが必要になります。

事業承継に必要な資金

事業承継の最大の問題は後継者問題です。後継者候補に「事業を継ぎたい」と思ってもらうためには事業の魅力や将来性は必須です。しかし、その入口として事業承継に必要な資金のめどがたち、事業承継のハードルが下がっていなくては、二の足を踏んでしまうこともあるでしょう。

エヌエヌ生命の調査*1によると、
中小企業経営者が想定する「事業承継に必要な資金」=「年間売上の5割」
という回答結果でした。「事業承継に必要な資金」がどのようなものか具体的に考えてみましょう。

1つ目は、借入金返済資金です。金融機関からの借入金がある場合、個人保証している現社長が死亡すると、突然後継者や残された家族にその債務が降りかかります。
借入金返済資金は借入金残高や借入期間にあわせた生命保険に加入することで準備できます。個人でマイホームを購入して住宅ローンを組む際、多くの方が団体信用生命保険に加入するのとイメージは似ているかもしれません。団体信用生命保険は住宅ローンの借り主が死亡・高度障害状態になった時に生命保険会社が残った住宅ローン残高を引き受けてくれる保険です。

2つ目は、運転資金です。エヌエヌ生命の調査*2によると、事業承継をした経営者(=後継者)を対象に「承継時にどんな資金が必要だったのか(複数回答)」を聞いたところ「当面の事業運転資金」が最も多く、回答の約7割を占めます。その他、「従業員への給与」や「取引先への支払い」などの回答もありました。
後継者が経営に集中できるように、突然の事業承継に備えて、「当面の事業運転資金」を準備しておく(もしくは生命保険で備える)ことが大切です。

3つ目は、自社株対策資金です。後継者が安定的な経営権を保持するためには、株主総会特別決議に必要な2/3以上の株式を取得することが必要です。そのための資金が自社株対策資金です。
平成30年度税制改正において、事業承継税制の抜本的な改革が行われ、相続・贈与については納税猶予の措置がありますが、買い取る場合は今までと変わりません。引き続き、自社株対策資金の準備も意識しておく必要があります。

最後に4つ目は、相続対策資金です。経営者の資産には事業用の土地や自社株などが多くを占める傾向があります。相続税は原則現金で一括納付することが必要ですが、これらはすぐに現金に換えることが難しい流動性の低い資産です。後継者がこれらの資産を相続すると、相続税の支払いが困難になります。
また、兄弟姉妹がいる場合には、遺産分割に伴う後継者への資産集中が起こることで、兄弟姉妹の遺留分を侵害する可能性もあります。相続税の支払いおよび遺留分対策として、経営者は現金の準備も必要になります。

生命保険を使って資金を準備しよう

すぐの解決が難しい後継者問題ですが、後継者候補が継ぎたいと思うための「事業承継に必要な資金」を紹介しました。か:借入金返済資金、う:運転資金、じ:自社株対策資金、そ:相続対策資金のそれぞれの頭文字をとり「かうじそ」と覚えましょう。エヌエヌ生命の調査*1では、事業承継を考えている経営者でさえも半数以上の53.9%が「事業承継の資金準備をしていない」と回答しています。経営者の高齢化とともに健康上のリスクが高まりますが、経営者の万一は会社の万一に直結します。経営者の急逝など、不測の事態のリスクに備えるには、生命保険の活用が有効です。

生命保険には、お客さまのニーズに合わせた商品がありますので、「かうじそ」の視点で必要な資金を検討し、事業承継を円滑に進めましょう。

*1 2015年11月「事業承継の準備と実態」調査
*2 2018年1月「「中小企業経営者の’突然‘の事業承継準備に関する実態調査」

 

※このページに記載されている法令や制度などは2018年7月1日現在のものです。将来的には内容が変更となる場合がありますのでご注意ください。