経営者の妻の子育てと子供向けの習い事
家族経営における社長の妻の役割とは? ~家族のサポート役としての責任とやりがい~
中小企業向け事業保険のエヌエヌ生命
家族経営の社長の妻に焦点を当てて、家族のサポート役としての社長妻の役割についてお伝えしていきます。
家族経営では、家族ひとりひとりの役割が大きな影響力をもっています。
そして家族経営ならではのメリットもある反面、家族経営だからこその難しさもあります。
ですから、社長の妻の役割が、重要な意味をもってくるのではないでしょうか?
そこで今回は、家族経営の社長の妻に焦点を当てて、家族のサポート役としての社長妻の役割について考えてみたいと思います。
1. 家族のサポート役としての社長の妻の役割
まず家族経営のメリットやデメリットについて考えてから、社長の妻の役割と責任についてお伝えしたいと思います。
1-1. 会社経営の多くを占める家族経営のメリットとは?
日本の会社の9割以上は家族経営もしくは同族会社と呼ばれる形態をとっていると言われています。
家族経営というと、ごく少人数の家族だけで小規模に経営しているというイメージを持たれがちですが、創業者とその家族が経営を担っているという意味ですので、会社の規模は様々です。
信頼できる身内が主体となって会社を経営する家族経営には、以下のメリットがあります。
- 家族間で経営理念を共有しながら、協力して会社の成長を支えることができる
- お互いに時間の融通が利きやすいので、ライフサイクルに合わせて働くことができる
- 費用を最小限に抑えられるので合理的
小規模な家族経営の場合には、従業員の数が少ない分、ひとりひとりの生産性が高いケースもみられます。
1-2. 家族経営のデメリットとは?
一方で、家族経営のデメリットとして、以下の傾向が見られます。
- 家庭と仕事の切り替えが難しい
- 社長の妻への負担が大きくなりやすい
時間の融通が利くというメリットは、つい自分に甘くなってしまい、オンとオフの切り替えがなかなかできずに、家庭も仕事も両方が中途半端という結果につながることもあります。
反対に、自分に厳しくなりすぎると、オーバーワークになってしまう可能性もあります。
このように、時間の融通が利き、ある程度の自由が許される環境では、バランスをとることが難しいと言えるでしょう。
特に家族経営の社長の妻の場合には、会社を経営する夫のサポートをしながら、子供の世話や家事など、多くの役割を同時に任せられやすいため、負担が大きくなりやすいことに注意が必要です。
1-3. 家族経営の社長の妻の役割と責任
そんな社長の妻には、オンとオフを切り替えるための心構えが必要となります。不要な負担がかからないように、日頃から以下のことを意識することが大切と言えるでしょう。
- しっかり休憩を確保すること
- 時間管理を徹底して無駄な仕事を省くこと
- ものごとの重要性と優先順位を明確にして対処すること
また、社長の妻には忙しい夫に代わり、家族がスムーズに意思の疎通が図れるように、上手に家族をつなぐ潤滑油としての役目が期待されます。
そのためには、ものごとを大きくとらえ全体を見渡せる心の余裕が大切です。
家族経営の会社では、ひとりひとりが重要な役割を担っています。
家族がバラバラにならないようにしっかりとコミュニケーションをとり、意思の統一を図ること。
家族全体を見渡してバランスをとること。
社長の妻としてのリーダーシップを発揮するためにも、手を抜くべきところと力を入れるべきところの見極めをして、上手にバランスをとることをおすすめします。
2. 社長の妻の会社への関わり方
夫の会社への関わり方は、夫婦間や家族間の関係性や考え方などによって、様々でしょう。
夫の会社の一員として経営に関わる場合もあれば、会社にはノータッチで家庭を守ることで間接的に会社を支えるという場合もあるかと思います。
会社の一員として経営に関わる場合、夫の会社へのサポートは以下の2つが考えられます。
- 直接経営に関わるサポート
- 社内の風土、社風を育む役割を果たすというサポート
これらについて、以下でお伝えしたいと思います。
2-1. 直接経営に関わるサポート
社長の妻として直接経営に関わるサポートには、以下のような役割が考えられるでしょう。
- 経理業務を担当する
- パソコン操作、ITスキルの向上で業務効率化に貢献する
- 事務所や店舗などのインテリア、内装を担当する
- 電話対応、接客業務を担当する
2-1-1. 経理業務を担当する
ある程度数字に自信があれば、社長の妻が経理業務を担当することのメリットはたくさんあります。
会社では年に一度確定申告をしなくてはなりませんが、その際には会計事務所や税理士に依頼することが一般的かと思います。
しかし、最近は使いやすい経理ソフトやアプリが多数出回っていますので、簿記の初歩的な知識があれば、ある程度の処理は可能です。
社長の妻が経理業務を担当することで会計事務所に依頼する業務量が減れば、支払う手数料をその分安く抑えることもできるでしょう。
また、社長の妻が経理に関わることで、会社の経営状況を理解できるようになるのも大きなメリットです。
一見売り上げが増えているように感じていても、材料費の高騰や仕入れ原価の値上がり、売掛金の回収の遅延などで、利益率が落ちていたり、キャッシュフローが滞っていたりということもあります。
自分で直接経理に携わることで、このように経営状況を把握できるようになりますし、改善点や経営課題を見つけることができる可能性もあります。
また、従業員の不正な使い込み、持ち逃げを防ぐ効果も期待できるでしょう。
社長である夫は細かい経理状況まで把握する余裕がないことも多く、その際に妻がしっかり経理を担っていてくれるのは、大変心強いことと言えるでしょう。
2-1-2. パソコン操作、ITスキルの向上で業務効率化に貢献する
パソコン操作、ITスキルの向上で業務効率化に貢献することができれば、夫の会社にとって大きな戦力となるはずです。
Word、Excel、Power Pointなどのソフトを使いこなし、システム導入など業務の効率化を実現できるとすれば、会社にとって貴重な人材となります。
2-1-3. 事務所や店舗などのインテリア、内装を担当する
美的感覚に自信があるのであれば、事務所や店舗などのインテリア、内装を担当するという貢献の方法もあります。
お手頃な価格で展開している家具メーカーなどの商品を利用して、コストをかけなくても機能的でおしゃれな空間を作ることは可能です。
2-1-4. 電話対応、接客業務を担当する
これらのようなスキルがなく、数字などは苦手だけれど、コミュニケーション能力には自信があるという場合には、電話対応や接客業務を担当することも会社に大きく貢献できます。
社長の妻が率先して丁寧な対応をする姿は、他の従業員への見本にもなることでしょう。
2-2.社内の風土、社風を育む役割を果たすというサポート
特に直接経営に関わる業務は得意ではないというケースでも、社内の風土や社風を育む役割が上手な方もいます。
詳しくは次の章でお伝えしたいと思いますが、家族経営の会社では会社内の人間関係に配慮が必要なケースが多々生じます。
風通しがよく、問題発生時に柔軟に対応できる職場では、それだけ業務の生産性も高くなると考えられます。
自由に発言しやすい組織風土。
自由な発想が尊重される社風。
そういった空気を生み出す力をもっているなら、会社にとって大きな貢献ができるでしょう。
自分の特性をいかして、社長の妻としてどのようなサポートができるのかを、様々なポイントから考えてみることをおすすめします。
3.家族とのバランスの取り方
家族のサポート役である社長の妻にとって、家族とのバランスの取り方も大変大切なポイントになります。
そこでここでは、以下についてお話します。
- 家族とのコミュニケーションの重要性
- 家族同士のコミュニケーションのサポート
- 夫婦のコミュニケーションと信頼の築き方
3-1. 家族とのコミュニケーションの重要性
家族経営の会社では、家族であり、仕事上の仲間でもあることから、家族同士の関係構築の重要性が非常に高いと言えるでしょう。
会社内部で人間関係がギクシャクしていては、会社の業績にも大きく響いてしまうかもしれません。
ところが、家族経営の会社では、家族同士の意見の対立が深刻化してしまうことも少なくありません。
根底には家族という甘えや言いやすさがあるのだと思われます。
成長や発展、解決のための前向きな意見の交換であれば問題ありませんが、単なる感情のぶつかり合いになってしまうと、決して良い結果には結びつきません。
では、そのような事態にならないために、社長の妻としてどのような役割を果たすことができるでしょうか?
ここでは、そこに焦点を当てて考えてみましょう。
3-2. 家族同士のコミュニケーションのサポート
先程も触れたように、家族経営の家族同士は、仕事仲間であると同時に家族という甘えや気安さから、些細なことが引き金になってトラブルに発展するケースもみられます。
しかし社内のみんなが気持ちよく仕事をし、会社の業績を伸ばしていく上で、それは大きなマイナスでしかありません。
会社を発展させていくためには、良好なコミュニケーションと信頼関係の構築が重要であることは言うまでもないことです。
その際に社長の妻としてできることは、家族をつなぐ潤滑油としての役割を果たすことではないでしょうか?
会社の発展のために必要な意見の交換なのか、単なる不満や感情のぶつかり合いなのか、冷静に判断して、話し合いが暗礁に乗り上げるような場合には、解決に向けての適切なアドバイスが必要です。
その際にも誤解や行き違いがないように、慎重に対応しなくてはなりません。
自分も感情に飲み込まれて冷静な判断を失わないように、一歩引いた立場で見守る余裕も大切になるでしょう。
3-3. 夫婦のコミュニケーションと信頼の築き方
夫とのコミュニケーションの取り方にも、気を配ることは大切です。
夫婦同士では、「分かって欲しい…」という思いが先行しがちになることもよくあることです。
そうなると、「相手はどうして自分の気持ちを分かってくれないのだろう・・・?」と関係がこじれることも。
そんな時には、お互いまったく異なるバックグラウンドをもつ、別の人間であることを理解し、意見が異なるのは当然と受け入れることが解決の第一歩です。
感情的にならずに伝えることを心がけて、伝え方を自分なりに工夫してみることをおすすめします。
お互いの意思をいかに伝えるか、理解しあうかが大切です。
家族経営の会社では信頼関係は経営の基礎と言えますから、良好な関係を築いていけるよう心がけることが、成功へつながっていくでしょう。
4. 家族のサポート役を担う社長の妻の満足感の追求
会社経営においては、「共通の目標とビジョンの設定」というのは、大変重要なポイントと言えますが、成功の基準と目標の設定をどこにおくか、ということは個人の考え方によって大きく異なります。
しかし、それぞれの目指すゴールがバラバラでは、会社の方向性が定まらず、早晩経営は行き詰ってしまうでしょう。
そういう視点からすると、家族経営の会社では他の経営形態の会社と比べて、ビジョンを共有しやすい傾向があるのではないでしょうか?
家族だから起こるデメリットを家族ならではのメリットに変えることができれば、大きな力となるはずです。
そこで発揮されるのが、社長の妻としてのリーダーシップと言えるでしょう。
家族だからこそ生まれる共感の可能性を大切にして、会社の成長を家族の共通目標に、家族の絆の再確認できれば...。
心の余裕を大切にして、会社、家族、夫を包み込む包容力をもち、会社や家族と共に、自分も成長していくこと。
そこに家族のサポート役としての社長の妻の醍醐味が見いだせるのではないでしょうか?
※本記事に記載の情報は2024年05月24日現在のものとなり、将来変更となる可能性があります。