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エヌエヌ生命プレミアレポート

社業発展に欠かせない!?

外国人雇用を成功させる秘訣

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2016年10月末時点で、日本国内で働く外国人労働者数は過去最高を記録、初めて100万人の大台を突破し、108万人になりました。最近の特徴は、国籍別の増加率(前年同期比)において、ベトナム(56.4%増)、ネパール(35.1%増)、フィリピン(19.7%増)などアジア新興諸国出身者、しかも「高度人材」の激増ぶりが目立っていることです(図1)。今後も政府による外国人労働者の増加推進政策は加速し、外国人雇用はますます増えていきます。そこで、外国人雇用のメリットや上手な雇用の仕方を紹介してみましょう。

1 中小企業が外国人を雇用するメリットは

中小企業にとって人材の確保は生き残りをかけた喫緊の最重要課題であるにもかかわらず、少子高齢化の日本では、優秀な人材を採用できないという厳しい状況が続いています。それならば、と外国人留学生や、海外から優秀な外国人を招聘して雇用する企業が年々増えています。実際に外国人を雇用している企業からよく聞くメリットには、次のようなものがあります。
 ・ 日本人社員に比べて主体性があり、自身のキャリア向上に貪欲で真面目
 ・ 専門知識に加え、第二外国語として英語が堪能。留学生は日本語も堪能なため、海外取引業務の即戦力となる
また、能力面での優秀さに加えて、共に働く日本人社員からも、「いやおうなくグローバルなビジネス環境を意識させられ刺激を受ける。日本人社員しかいなかった頃と比べて、社員同士、自然に協力し合うようになった」などと、外国人雇用を評価する声が多いようです。
ちなみに、高度外国人材(※1)といわれる外国人労働者の在留資格(※2)は、2017年12月現在、15種類あります。その中でも、「技術・人文知識・国際業務」の保持者が最も多く、この在留資格の保持者はシステムエンジニア、技術開発・設計、企画、財務、マーケティング、営業、通訳・翻訳、海外取引業務等のいわゆるホワイトカラーと呼ばれる職種で働いています。
このような就労が可能な在留資格を、雇用主がスポンサーとなって取得することにより、中小のIT企業が海外から能力の高いシステムエンジニアやプログラマーを招聘したり、海外展開を見据える企業が進出相手国の出身である外国人留学生等を貿易や海外営業の即戦力として雇用することが可能になります。

※1 高度外国人材=専門的・技術的分野で就労可能な外国人労働者。技能実習・外交・公用の在留資格は除く。
※2 在留資格=外国人が日本で行える活動または在留できる身分・地位について類型化し、外国人に与えられている資格。一般には「ビザ」と呼ばれることが多い。

2 外国人雇用を成功させるポイント

●協調性や明るさ・真面目さなど人物面の選考も慎重に
外国人の場合、気質の面で日本社会や商慣習に馴染む素地があるかどうかも、注意深く見極めて採用することが重要です。外国人は日本人以上に真面目で努力家の人材も多いのですが、時に日本の慣習や労働環境に慣れることができず、ホームシックに陥って短期間で退職・帰国してしまう事例も少なくありません。特に海外から招聘する場合は、日本に興味を持ち、日本語を習得する意欲がある等、キャリア面だけでなく、日本文化の吸収にも積極的な人材を採用すると入社後の定着率がよいようです。
また、受け入れる企業を見ていると、入社後、雇用主や人事担当者・上司等が外国人社員の業務面・生活面についてよく気にかけて頻繁に声掛けをしている企業ほど社内の雰囲気がよく、結果的に勤続年数が長い印象があります。
近年激増しているベトナムやフィリピン等の労働者については、母国の経済発展に連動した教育レベルの向上により、ITや建築設計等に携わる高度人材が増加しています。こうした新興諸国の出身者は、真面目で仕事熱心な性質に加え、一般的に親日感情を持っている人が多いため、日本のビジネス環境に順応するのが比較的早い傾向があります。
なお、外国人材の見極めに関しては、最近、国内の留学生や海外の大学等に在籍している外国人学生を数か月単位で招聘し、インターンシップをさせた上で双方合意があれば、卒業後に正式採用する等の方法を導入している企業も増えてきています。

●将来のキャリアパス、評価制度をわかりやすく説明
一般的に、外国人労働者は優秀な人材であればあるほど、自身の職務や将来のキャリアパスまた昇給を含む人事評価について経営者の皆様が想像する以上に重要視しています。中小企業では、こうした人事制度の整備が不十分なケースも多いと思いますが、日本人社員はもちろん、優秀な外国人社員に定着してもらうためにも、やはり効果的な人事評価制度の整備は避けては通れないのではないでしょうか。

3 外国人を雇用したいと思ったら

「国内の留学生を卒業後に雇用する」あるいは「海外在住の外国人を招聘して雇用する」場合、どちらも難関となるのが、就労ビザを取得する手続きです。就労ビザを取得するためには、入管法で定められた在留資格に該当する職務を行う前提条件に加え、雇用する外国人の学歴(専攻)や職歴が職務内容と一致していること、雇用主企業の経営の安定性・継続性等の条件をクリアしなければなりません。
外国人を雇用する際に、困ったことがあれば、就労ビザに関しては最寄りの入国管理局や入国管理業務専門の行政書士・弁護士に相談するとよいでしょう。また外国人材の求人については、大学や専門学校への求人に加えて、外国人版のハローワークである、「外国人雇用サービスセンター(厚生労働省)」や外国人労働者専門の人材紹介会社等を利用する方法もあります。
将来の社業発展を見据えて、優秀な外国人材の雇用を検討してみてはいかがでしょうか。

著 者
若松 絵里(わかまつ えり)
法務省届出済申請取次行政書士
外国人技能実習 監理責任者
社会保険労務士
2005年に「若松絵里社労士・行政書士事務所」を開設。主な取扱業務は、外国人労働者の就労ビザ申請代行、日系・外資系企業向けの雇用契約書や就業規則作成・英文翻訳業務など人事労務管理業務。また、企業の人事担当者、人材紹介・派遣会社向けに、就労ビザ取得や入社後の労務など、外国人雇用管理に関する研修も行っている。
 

この記事は、エヌエヌ生命プレミアレポート2018年2月号からの転載です。 この記事に記載されている法令や制度などは2018年2月作成時のものです。 法令・通達等の公表により、将来的には制度の内容が変更となる場合がありますのでご注意ください。

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