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事業承継について誰に相談しますか?

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事業承継について誰に相談しますか?

事業承継の準備が遅れている経営者の方には「そもそも誰に相談すればいいのか?」というお悩みをかかえている方も多いと思います。事業承継について「誰に何を相談すべきか?」という問題を考えていきます。

経済産業省の2016年の調査では、後継者問題を抱える経営者の36.5%が、「特に相談相手がいない」と回答しています。大量引退時期が迫る団塊世代の経営者の方々が「事業承継は家庭内の問題である」という考えから、適切な相談を受けずに廃業に追い込まれることが危惧されます。

ちなみに経済産業省の試算によれば、2025年には、
a.6割以上の中小企業で経営者が70歳を超え、
b.このうち現時点で後継者が決まっていない経営者は127万人おり、
c.廃業の増加により25年までに累計で約650万人の雇用と約22兆円の国内総生産(GDP)が失われる
という可能性が示唆されています。

事業承継の準備が遅れている経営者の中には、「事業承継についてそもそも誰に相談すればいいのか?」という悩みをかかえている方も多いと思います。事業承継について、「誰に何を相談すべきか?」ということについて考えていきます。

事業承継についての相談相手

エヌエヌ生命が2014年に法政大学大学院中小企業研究所と行った共同調査では、「事業承継についての相談相手は誰ですか?」との質問(複数回答)に対して、第1位「特に相談相手はいない」(36.5%)、第2位「顧問税理士・公認会計士」(28.1%)、第3位「社内役員」(26.7%)、第4位「親族」(23.9%)、第5位「経営者仲間」(18.0%)という回答になりました。実に経営者の1/3以上に相談相手がいないことを示しているのです。相談相手としては、既に関係のある人が中心で、事業承継を支援する様々な機関を有効に活用できていないことがうかがえます。

事業承継を支援する機関としては、主に以下があげられます。
①金融機関(銀行、信金信組、生命保険会社)
②士業等専門家(税理士、公認会計士、弁護士、中小企業診断士)
③商工会議所等(商工会議所、商工会等)

相談相手を選ぶポイント

事業承継を考える上では、全体の軸を確立すること、多面的に検討することがポイントです。医師に例えるならば、相談相手としては事業承継全体を俯瞰する「総合医」と事業承継に関する各専門分野についてアドバイスする「専門医」に分けることが重要です。「総合医」は全体の軸を確立するための中心的役割を果たす1名、「専門医」は多面的に事業承継を検討するため複数名というのが一般的です。

「総合医」のポイント

「総合医」を選ぶ基準は、①様々な利害を客観的に判断し、経営者の立場に立ってアドバイスできること、②専門分野に関係する相談を「専門医」に振り分け、統括するコーディネート力、です。事業承継に派生する取引には、さまざまな利害が発生します。

「専門医」のポイント

「専門医」を選ぶ基準は、①専門的な知識と経験が豊富であること、②セカンドオピニオン、です。専門医は各専門分野に必要な知識と経験があり、その専門分野に特化していることが理想です。また、同じ専門分野でも意見の相違があることも考えらますので、必ず複数の「専門医」の意見を比較して検討することが必要です。

「専門医」としての生命保険会社(保険代理店)

事業承継の相談相手で意外な盲点になっているのが、生命保険会社や保険代理店です。事業承継を検討するために「専門医」として、生命保険会社や保険代理店の意見をセカンドオピニオンとして活用してみることも一考に値します。

例えば、経営者に万一のことがあり相続人が死亡保険金を受け取ったとします。その場合、相続税の計算には一定の非課税枠があります現金であれば非課税枠はありませんので、いくらかの税負担の軽減になるわけです。また、流動性の低い資産ばかりを相続したとしても、死亡保険金(現金)があることで、納税に困らなくて済むかもしれません。個々の家族構成などに応じて、適切なアドバイスができるのが生命保険会社や保険代理店の強みです。

※税務(処理)については、2018年6月1日現在施行中の税制を参照しております。よって、将来的に税制の変更などにより、実際のお取扱いと記載されている内容が異なる場合がありますのでご注意ください。具体的な税務処理を行う場合は、税理士などの専門家、または所轄税務署にご相談ください。