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次世代の経営者に向けた「家業イノベーション・ラボ」

家業イノベーション・ラボは、「家業」+「自分らしさ」で家業をスケールアップすることに挑む家業イノベーター(次世代経営者)たちの学びと実践のためのコミュニティです。 年間様々なプログラムやセミナー、ワークショップなどを通じて、家業を継いだ人、同じように継ぐことを考える人たちが出会い、学びやスキルを深め、刺激し合い、つながれる機会を支援します。エヌエヌ生命は、自らの力で事業を成長させ、社会にポジティブインパクトをもたらす家業イノベーターたちが目立つ状態を生み出すことを目指します。

家業イノベーション・ラボコミュニティ


開催レポート

2018/8/24-25 家業イノベーション・クエスト
1日目 家業を継ぐ意味を問い直す

未来の家業イノベーターが集う「家業イノベーション・クエスト2018」。今回は1泊2日の合宿形式で、13人の若者たちが家業イノベーターと語り合いました。

 家業イノベーション・クエスト

今回のテーマは、「クエスト」という名の通り、「冒険」・「探求」。自分の内面を「冒険」し、向き合うべき問いやその答えを「探求」することが目的です。また、その過程で、参加者同士が互いの違いや多様性から学び、良い関係性を構築することが期待されました。

初日は、主催者の一人、株式会社みやじ豚代表取締役・NPO法人農家のこせがれネットワーク代表理事宮治勇輔氏の話でスタート。午後は、家業イノベーターへの訪問でした。
宮治氏は、家業が「地域の文化・伝統・歴史を次代につなぐ」役割を持っていること、家業の固有性・模倣不可能性は企業間競争を生き残るうえでの強みとなる、として、家業を持っていることの価値を強調しました。

一方で、「親の代のビジネスモデルで、自分の代まで食えるというのは甘い考え」であり、「真の事業承継とは、敷かれたレールの上をただ走ることではない。自分の天命を知り自らその道を選び、自分らしく事業をイノベーションすることだ」と述べ、「真の事業承継」とは何か、という重い課題を参加者に投げかけました。

受動的に家業を受け継ぐのではなく、先代の事業の価値を活かしつつ時代に合った形にビジネスを変革することが必要だという、宮治氏のメッセージ。「事業承継の本質とは、価値を生み出すために価値あるものを受け取る。超友好的な、乗っ取りである」(宮治氏)と述べ、その方法について次のマトリクスを使い、具体的に紹介しました。

後継者の継承戦略①~④
  現在の事業 新しい事業
現在の会社 ①一般承継戦略 ②新事業戦略
新しい会社社 ③新会社戦略 ④創業戦略
(参考:宮治氏スライド)
株式会社みやじ豚代表取締役 宮治勇輔氏

宮治氏ご自身は、家族経営の養豚業を継ぐ際、上図②の新事業戦略(毎月のみやじ豚バーベキューでのマーケティング)と、③の新会社戦略(みやじ豚のブランド化と、ロスの出ない、いわゆるドロップシッピング(drop shipping : 産地直送)モデルの導入に着手したといいます。参加者たちは食い入るように話に聞き入っていました。

午後の家業イノベーター訪問は、二つのグループに分かれて行いました。1グループは、リカー・イノベーション株式会社代表取締役社長の荻原恭朗氏、もう1グループは、プランティオ株式会社代表取締役の芹澤孝悦氏に話を伺いました。
参加者は、現在活躍されている先輩家業イノベーターの話に興味津々の様子。「イノベーションの内容」「イノベーティブなアイディアの源泉」「先代や古参の従業員とのコミュニケーション」「家業を継ぐ前に一般企業に就職すべきか」といったことについての質問がどんどん飛び出しました。

リカー・イノベーション株式会社代表取締役社長荻原恭朗氏

荻原恭朗氏は、家族経営の酒屋の4代目。市場が少しずつ縮小している酒屋の何かを変えないといけないと感じていました。しかし、先代の従業員たちが人生をかけて作り上げた会社という作品を壊し、彼らがやってきたことを無理に変えるのを望まなかった荻原氏。関連会社としてリカー・イノベーション株式会社を創業しました。酒業界について何もわからないまま、会社を発展させたい一心で、店舗・卸・メディアを運営し、酒の製造から販売までを担うビジネスモデルを構築しました。
家族に楽をさせたい、従業員を輝かせたいという熱い想い、ユニクロ・サントリーという一流のファミリービジネスを目標として見据えていること、酒の新しい価値を創造するために試行錯誤を繰り返すこと、酒蔵や卸先の飲食店との交渉に飛び回ること、経営ノウハウを吸収するため経営者を訪ね歩くこと。このような、荻原さんの大きなビジョンや発想力、行動力に対して、参加者からは「感銘を受けた」「自分は到底及ぶことができない」などといった感想が聞かれました。

「農協への卸売りに依存してきた家業の在り方を変えたい」と考えていた農家を家業に持つ男性は、情報ツールを活用した荻原さんの手法に大きな関心を寄せました。

プランティオ株式会社代表取締役CEO Founderの芹澤孝悦氏

プランティオ株式会社の代表取締役CEO Founderの芹澤孝悦氏は、日本で初めてプランターを開発した会社の3代目。開発当時は、すぐに安価な類似品にとってかわられてしまい販売が激減。しかし、「長く続いた企業には理由がある」と芹澤氏は言います。家業の持つ本来の価値に気づくことが大切だということです。
芹澤氏は、祖父が開発したプランターを再定義し、IoTを導入して「Smart Planter™」という製品を開発、ビルの屋上を利用して分散型農業を行うことを提案しています。しかし、「IoTはカルチャーがないとワークしない」(共同創業者であり出資者でもある孫泰蔵氏)との言葉通り、どんなに洗練された技術を取り入れても、使う人の視点を理解できなければ売れる商品は作れないということです。
そこで、芹澤さんはスマホのアプリを使ってゲームのようにアグリカルチャーをコミュニティで楽しむ仕組みを作りました。「unlearn(ゼロベースで既成概念を取っ払うこと)で見えてくる本質を現代に合う形に再定義すれば、未来は見えてくる」という自身の言葉を実践しているのです。参加者の一人、国の研究機関に努めていらっしゃる女性が、芹澤氏の「輸出できる土」の開発はありえない速さだと驚いていました。芹澤氏は、自分は農家でないからこそシンプルに考えた結果、開発出来たと話していました。

13人の参加者は、年代、業種、状況、悩み、それぞれ多様でしたが、初日のアクティビティを経て、一つ先のステージに進むことができたようでした。

家業イノベーション・クエスト

家業をすでに継いで新事業開発にとりかかっている人も、家業を継ぐかどうかまだ決められていない人も、最後には「先代とのかかわり方」「自分のとるべき立場は、労働者か経営者か別会社経営か」「先代の生み出した価値を基盤に、新しい価値を創造するにはどうすればよいか」「家業に対するモチベーションの保ち方」といった問いを設定し、夜遅くまで議論を重ねました。参加者にとって、向き合うべき課題、解決すべき問いが明確になったことは、大きな前進です。

家業イノベーション・クエスト2018
2日目 先輩イノベーターから学んだこと

2日目は、ゲストの講演を聞き、学びを深めた後、2日間の学びの成果をプレゼンテーションにまとめ、発表しました。
マーケティングストラテジストの阿座上陽平氏。株式会社BAKE成功の立役者であり、イノベーションのスペシャリストです。

家業イノベーション・クエスト

事業者の「why とわくわく」つまり「なぜその事業を行っているのか」「どんなことに熱意を持っているのか」ということを発信して、客に「共感と期待」を持たせ続けることが事業を成功させるカギの一つだと話しました。
阿座上氏が言う事業の現在と過去、さらに未来のビジョン、利用できる技術、顧客として獲得したいターゲット、競合事業と世論の中のポジショニング、といったものを分析し、事業をデザインする手法は、参加者が具体的に事業計画を考えるヒントとなったようです。その他、「おいしさの3原則=手間、材料、フレッシュ」、「8割主義=8割に好まれる商品を作る」、「ファンを巻き込んだ情報拡散」などのビジネスのヒントに参加者は、深くうなずいていました。
最後に阿座上氏から、これから家業を継ぐであろう参加者に向けてアドバイスがありました。家業の中ですでに出来上がっている関係性に対して影響力を持つためには、外に会社をつくる、または、内部にいい仲間を持つ、というアプローチが効果的だということでした。

2日間、先輩家業イノベーターの話を聞き、悩みを共有する仲間と飾ることなく本音で話し合ってきた参加者。プレゼンテーションには、学びの成果が表れていました。

家業イノベーション・クエスト

現在マーケティングリサーチ会社に勤務し、間もなく実家の漫画広告会社を継ぐことの決まっている男性参加者は、これまで仕事にかける情熱が少ないことに悩んでいました。しかし、今回のセミナーを通し、「漫画を情報収集媒体の選択肢にする」というビジョンに行き着きました。理由として、現体系の家業をそのまま継ぐことに違和感を持ち続けていた中、2日間を通じて同じ境遇の仲間や家業イノベーターからの刺激を受け、パッションを感じながらビジネスを成長させることこそ、大切と気付いたそうです。そこから考えを突き詰め、まずは家業の現状を分析し、そして理解することから始める決意を固めたことを語ってくれました。

213年もの歴史を持つ和菓子屋が家業の大学2年生の参加者は、初め、父を超えたいと話していました。この合宿を経て具体的なビジョンが見えてきたようです。伝統文化である和菓子を守り、発酵食品であるくずもちの「健康食品」という特徴を海外にも発信して行きたいと話しました。まずは、大学で知識を深め、卒業後まず就職してブランディング・プロデュース能力を身に着けたいといいます。

刺激を受けるためこのイベントに参加したという高校3年生の学生は、熱量を保てるよう、「好き」を突き詰める、というビジョンを掲げました。「両親の価値観はイノベーションの天敵だと学んだので、一人暮らしをし、親との付き合い方を見直し、積極性を育てる機会にしたい」と意気込みました。

創業116年目の味噌醤油屋が家業の大学1年生の参加者は、初め、家業を継ぐ使命感だけが先走り、ビジョンが持てないと悩んでいましたが、2日間の学びを経て答えが出たようです。「家業や商品について詳しく知ることで、使命感を愛着に変える」と話しました。「家業を持つ者特有の悩みがあること、それを共有できる仲間がいることを知り、その解決方法を先輩家業イノベーターに学ぶことができた。大学生という身分を有効に活用し、学生の間に探求を進めるべきことも随分と明らかになれた」と、今回のイベントでの学びに満足感を表明しました。

イベントを終えた参加者の一人に感想を伺いました。実家が和菓子屋さんの大学生は、同じバックグラウンドを持つ人たちと話し合い濃密な時間を過ごしたことで、刺激を受けたといいます。
「今までは、父親の大きな存在を超えなければとプレッシャーを感じていたが、父親の存在を土台に自分なりに上を目指せばいいと、ビジョンが明確化した」と、今回のイベントに参加して大きな収穫があったと話しました。
また、「長い間続いている家業には、お客さまが支え続けてくれている理由が必ずある」ということも、企業訪問で先輩イノベーターの話を聞く中で再確認したそうです。家業の存在意義を確認、明確化して、社会に還元する決意を語りました。よりスピード感をもって事業を進め、テクノロジーを利用して時代に合った最先端の事業を展開するというビジョンを具体化したいと意気込みました。

次回のイベント「家業イノベーションCAFÉ in 島根」は、10月13日(土)島根県雲南市で開催予定です。詳細はhttps://kagyoinnovationlabo.com/および「家業イノベーションラボ」のFacebookページにて掲載いたしますので、ご関心のある方はぜひご確認ください。


「継ぐ」前にいろんな経験を積もう!
2018/6/30 家業イノベーションCAFÉ! in 札幌

博多、大阪と続いてきた「家業イノベーションCAFÉ」。今回は札幌に場所を移して開催されました。5人の家業イノベーターがそれぞれの想いを語ると共に、20名近い一般参加者と熱く意見を交わしました。
家業イノベーションCAFÉ! in 札幌
家業イノベーションCAFÉ! in 札幌

川口洋史さんは漁師です。「魚食系男子プロジェクト」を展開中。魚のブランディングを考えながら、大学で消費者行動を勉強し、広告業に入りました。魚をもっと食べてもらいたい、そんな気持ちを抱いて家業を継いだのは2014年。「オイシイ、でツナガリタイ。」をコピーとして掲げ、鮮魚活じめを看板にした魚直販事業、そして魚の出汁で作ったスープカレー、ピンクサーモンのパテなど次々と新規事業を打ち出しています。「新しいことをやっている実感があります」と語る川口さん。「今ある事業を時代にあったものに作り替える」と意気込みました。

松橋泰尋さんは株式会社松橋農場の代表取締役です。十勝更別村で畑作、黒毛和牛繁殖肥育販売を経営しています。また、飲食店を2店舗経営するほか、キッチンカー事業、お弁当事業なども手掛け、収穫した農産物の加工・販売にまい進中。18歳からベンチャー企業などで揉まれてきた経験を存分に生かしています。実は松橋さんはお婿さん。4代目にあたります。「日本を世界一の農業大国にする」と語る松橋さん。2025年には、「生産者の農産物をコンテナに積んだタンカーで世界を回りたい」と大きなスケールの夢を披露しました。子どもは5人、「奥さん大好き」を自認しています。そんな彼の目標は2046年に長男に事業承継することだそうです。

後半は恒例、参加者と家業イノベーターとの意見交換会。参加者からは、「いつ家業を継ぐ決断をしたのか?」、「新規事業を展開するに当たってのタイミングは?」、「次なる挑戦は?」など質問が相次ぎました。

特に家業を継ぐタイミングについては色々な意見が出ました。吉田さんは友人の金融マンから、「(家業を継ぐタイミングが)遅いと何か息子に問題があるのかと思われる」と言われたエピソードを紹介、「40歳くらいまでには継いだほうがいいのでは」と話しました。一方、荒井さんは、「色んなことを経験してから継いだ方が良い。他人の飯を食う経験は大切」と話しました。松橋さんは「やりたい、と思う時じゃないと継いではいけない」と断言。川口さんは「継ぐ年齢は関係ないかな。ただ、他の業種は経験すべき。今の仕事に役に立っている」と述べると共に、「人に使われるという経験が大事だ」とも。他の人と同様、家業を継ぐ前の武者修行の大切さを強調していました。また、谷さんは、「10年間星野リゾートにいたが、(自分が農業に入るタイミングから)逆算してこのぐらい会社にいよう、と考えていた」ことを明かしました。

家業イノベーションCAFÉ! in 札幌

参加していた大学2年生が話してくれました。「(家業の)漁師を継ぐのに大学に入る必要があるのか。(卒業後)就職する必要があるのか。色々悩んできたけど、今日、その答え合わせができました。」

「継ぐ」ことにためらいや悩みはつきもの。今回登壇してくれたイノベーターの皆さん、家業に身を投じる前にそれ相応の準備をし、経験を積み重ねてきたのだな、とつくづく感じた1日でした。

次回は家業を継ぐ予定のある大学生らを対象とした「家業イノベーションキャンプ」が、8月24日、25日の2日間、東京で開催されます。ご関心ある方は、https://kagyoinnovationlabo.com/aboutにて詳細をご確認ください。


カギは「先代へのリスペクト」!
2018/5/19 家業イノベーションCAFÉ! in 大阪!

福岡に続き、今回の「家業イノベーションCAFÉ」は大阪で開催しました。5人の家業イノベーターがそれぞれの家業への想いを語り、その後20名近い未来の家業イノベーター(参加者)と熱く意見を交わしました。

創業60周年、株式会社鈴木靴下の鈴木みどりさんは3代目跡取り娘。前職はCAだったこともあり、生活は激変。夢は“消臭ストッキング”の開発だとか。「世界の人を足元から幸せに」を理念に掲げ、家業にまい進中です。

写真)鈴木みどりさん

創業104年目、カタシモワインフード株式会社醸造部の高井麻記子さんはブドウ農家の5代目。なんと西日本に現存する最古のワイナリーなのです。もともとはエンジニアとして東京で活躍しており、家業に興味がなかったという高井さんだが、故郷の衰退を見過ごすわけにはいかず、結局実家にもどることを決意。「ブドウ産業とワイン作りを次の100年につなげる!」と話す高井さん。その熱い想いはぐいぐい人を惹きつけました。

中尾食品工業株式会社代表取締役中尾友彦さん。会社はもともとコメ農家で、1927年に中尾商店設立。取締役として家業についてから半年後、25歳で代表の座に就いた若きイノベーターです。今は主力商品で日本古来の伝統食品“こんにゃく”を外国人にも味わってもらいたいと夢を語りました。

写真)中尾友彦さん

明治34年創業。100年の歴史を誇る株式会社前田精密製作所の前田真さんは、前職は楽天。今は超小型歯車など、”精密小型部品製造”の家業をついだ。その製品は宇宙衛星や航空機などに使われているといい、「町工場をテクノロジーで革新する」のが、今年のテーマだそう。まさに”日本技術の粋は中小企業から”、を地で行きます。

そして最後は酒造業界の風雲児、平和酒造株式会社代表取締役専務の山本典正さんは4代目。急速に縮小する日本酒市場にあって、次々と新商品を開発、製造だけではなく人事でも新卒採用を初めて行うなど、経営を革新し続けています。純米大吟醸“紀土”は国外最大級の日本酒コンテストで2年連続リージョナルトロフィーを受賞しているばかりでなく、若手蔵元とのネットワーキングにも熱心に取り組む山本さん。趣味はマラソンです。

後半は恒例、参加者と家業イノベーターとの意見交換会。取り上げられたテーマは①「脱家業」 ②「家族とのコミュニケーション」 ③「これから継ぐ人」の3つ。なにせ“家業”ゆえ、「家族とのコミュニケーション」の議論は大盛り上がり。ワイン農家の高井さんは、「父親のプライドは守らなくてはだめ。リスペクトは必要です。」と議論の核心をズバリ。精密機械の前田さんも家業を継いでから、「親父はすごかったのだな。」と思えたのは良かったと振り返るなど、”先代の努力に敬意を払う”ことは最低限必要なようで、参加者も強くうなずいていました。

①の「脱家業」については、従業員に対して情報をオープンにして いくことが重要という意見が出ていました。社内で継いだ人間が進める改革・革新が”ネガティブにとらえられないようにする”配慮が求められるということなのでしょう。

③の「これから継ぐ人」のテーマに参加していたのは大学1年生の 宮田汐梨さん。実家はプロパンガスの販売です。高校生の時から家業を継ぎたいと思ってきた宮田さんは今回先輩らの話を聞き、「家業ってすごく責任が重いんだな、と思いました。」と正直な思いを口にしながらも、家業を継ぐまでにやるべきことのヒントをつかんだようでした。

  • 家業イノベーションCAFÉ!
    「家業イノベーションラボ」の活動の一環として各地で開催するイベントです。

九州に家業イノベーター大集合!
2018/3/31 家業イノベーションCAFÉ! in 福岡

2017年末に東京で開催したイベントに続き、若手家業イノベーターと次の家業を担う若者たちが集う「家業イノベーションCAFÉ!」※を2018年3月に福岡で行いました。九州で注目を集めている5名の家業イノベーターを講師にお招きし、自分らしく家業への関わり方について議論を深めました。その時の様子をお伝えします。

林業を営む父の後を継ぐ。そう心に決めたあの日から約10年・・・故郷・宮崎を離れ、博多で働いていても、自分の家の山のことを忘れたことは片時もない、といいます。そんな三浦成子さんは三姉妹の末娘。イベント終了後、話を聞きました。

写真)参加者の一人三浦成子さん

「狭い視野になっていたのかな・・・。土地を守らなきゃ、という気持ちが強くて。でも今日の話を聞いて事業としてやりたいようにやってもいいんだ、と思えるようになりました。」

3月の末、福岡市で行われた「家業イノベーションCAFÉ!」に三浦さん含め、家業を将来継ぐであろう若者たち20数名が集まりました。ゲストとして登壇した5人の家業イノベーターが事業を継いだ際の実体験を次々と紹介しました。

イノベーターの一人、医療法人八女発心会姫野病院の姫野亜紀裕院長は、自ら「家業」への制約を設けず、自由な発想で経営に取り組む大切さを語りました。姫野氏が目指しているのは、ずばり「多角化」。全体の売上の医療事業の比率を3割程度にしたい、といいます。将来的には農業にも進出したいという姫野氏。その理由を問われると「医療崩壊した時、病院の職員が食べ物に困らない様にするため」との説明でしたが、その根底にはしっかり計算された事業展開のスキームを見据えている様子が伺えました。

株式会社ルナレインボー代表取締役の赤瀬弘憲氏も、父のおはぎ屋さんという家業にこだわらず、牡蠣で作った出汁(だし)「福のだし」、幻の米「伊佐米」やその伊佐米から作った「あまざけ」など、新商品を次々と開発・販売して成功を収めています。姫野氏と共通しているのは先代からの「家業」を尊重しながらも、「起業家」として新しい考えのもと、チャレンジに挑んでいることです。

三田村道洋氏が代表取締役を務める株式会社グローバルシーフーズは、インドネシアから中国、韓国などにも魚を輸出しています。同社の理念は「日本の食文化を世界に広める!」ですが、もはや日本からの輸出というより、アジア全体を大きな市場としてとらえています。三田村氏もまた、家業の枠に止まらない経営を志向しているそうです。

参加者の一人の実家が養鶏業の三宅真理子さんは、この春新大学3年生です。
「赤瀬さんは取引先からラー油が欲しい、と言われた時、『自分おはぎ屋ですから』と断らずに、『よし、やってみるか!』と考えて実際作ってしまった。それは凄いですね」とその行動力や発想力にいたく感嘆した様子。卒業したら「まずは飲食業に行って色んなノウハウを学び、自分流に家業に活かしたいです」と熱く語りました。

  • 家業イノベーションCAFÉ!
    「家業イノベーションラボ」の活動の一環として各地で開催するイベントです。

2017/12/17 「継ぐをつなぐ ~家業イノベーションLIVE!」を開催!
学生も若手家業イノベーターも白熱するイベントになりました!

写真:プログラム第一部で行った家業イノベーターによるリレートーク。家業を継いだときの経験や承継ポイントなどが紹介されました。